Hamaguri Ryoko-Soloris Works

ソロ活動のリス改め「はまぐり涼子」、絵を描く。

ダルマさんに何を願う?

3月21日、春分の日です。

私の住む町では色々なイベントやお祭りがあります。

行きたかったイベントも沢山。

ですが、私の参加するグループでも上映会があります。

福島の双葉町の人々を追い続けたドキュメンタリー映画の上映です。

この町にはダルマ市が江戸時代から続いていたそうです。

今は県内の仮設で1月に開かれているとのこと。

 (転載を禁止します)

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ダルマさん、いいですよね。

ダルマさんの赤色は、魔よけの色。

さまざまな病や災いは赤色を持って防げると考えられてきたといいます。

このダルマ市に、双葉の方々は何を思い、ダルマさんを手にして、

何を願い、目を一つ塗り込んだのでしょうか。

双葉町の人々を、これからも追い続けるという監督が

本にしたためた言葉をここに記載します。

☆☆☆

いわき市南台応急仮設住宅では年に一度、正月にダルマ市が開かれており、今や双葉町民が最も多く集う機会なっている。
・・・(中略)ダルマ引き用の巨大ダルマは、故郷・双葉町の役場に保管されたままだそうだが、いつか双葉町民が帰還する日が来たとき、ふるさとで再び陽の目をみることができるだろうか。
私はその日までいきているかわからないが、この双葉町映像記録をできる限り続けてゆきたい。
原発事故以後、映画を撮りたいという作家的欲求よりも、撮らなければいけないという切迫感に突き動かされているか、ここまで執拗に継続してきた。
私が望むのは、作品にすることで一人でも多くの人に、現在も続く犠牲の痛みを我がこととして感じてもらうことである。
そして20年、30年後も色褪せることなく映画が鑑賞されることを願っている。
・・・(中略)文明の利便性の陰で、犠牲を強いられた人間、犠牲をしいてきた人間のありさまに、ぜひ思いを馳せてほしい。
映画とは本質的に、無国籍で、時代と言語を超えるものであると信じる私は、『フタバから遠く離れて』の未来に多くのものを託したいと思っている。

舩橋淳著『フタバから遠く離れてII』より抜粋