シネスイッチ銀座映画絵日記 vol. 30 『人生は小説よりも奇なり』 Mar., 2016
シネスイッチ銀座 - 「人生は小説よりも奇なり」3月12日より公開です | Facebook
主人公は、中高年のゲイ二人。
若くもなく、かっこいいわけでもなく、
ぽってりしたお腹を抱えた悩ましきおじさん達です。
なのに、なんとも愛おしく思えてしまうのは、
秀逸な脚本と、感情の機微を見事に伝える俳優のおかげなのでしょうか。
同性愛者のぶち当たる問題に触れながらも、
性別を超越した愛することの喜びや悲しみが
観る者の心に静かに染み渡る素晴らしい映画です。
そして、中高年の二人と対照的な思春期の少年の存在には、
印象深いコントラストと美しい余韻が感じられます。
画家のベンと、音楽教師のジョージ。
二人が芸術をこよなく愛していることも、何気ない彼らの繊細な会話や、
流れる音楽、飾られている絵の数々から伝わってくるきめ細やかな作品作り。
悲喜こもごも人生賛歌の映画は色々ありますが、感想を描きながら
ほろりと涙してしまったのは、もしかしたら
『チョコレート・ドーナツ』以来かも。
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