はまぐり日記 People Factory25周年のリサイタル
藤沢に 「ピープルファクトリー」という地域作業所があります。
ハンディキャップのある5人の仲間たちとその周りの人達のことを知ったのは、
最近まで近所に住んでいた映像作家の友人を通じてでした。
そして、今日このピープルファクトリー25周年記念の
小さなギターコンサートがありました。
演奏者は、青木隼人さん。
この方のギター演奏を初めて聞いたのはかれこれ4、5年前ですが、
ここ数年の間にBonamiという私の大好きな作家グループや
トヨダヒトシさんという写真家さん(これまた映像作家の友人を通じて)と
知り合ったことで、彼らとも繋がっていた青木さんの音楽が少し身近になりました。
ピープルファクトリーの仲間であるRくんやYさんの合間から見えた
青木さんの演奏をスケッチしました。
青木さんの演奏の面白いところは、敢えて窓の外から聞こえる色んな音、
ときには雑音や騒音と思いがちな生活音も
やさしく包み込むように音楽の一部にしてしまうところ。
心地よく聞く人それぞれの生活の中の音として
緩やかに入り込んでくるような存在感なのです。
人工的な光をなるべく使わず、日が暮れて刻々と空の色が変わっていくのを
見つめたり、目をつぶって耳から入る音に流されるように
聞いてみたり、とてもゆったりとした気持ちで自由に聞ける音楽。
私も一枚彼のアルバムを持っているのですが、
イギリスは南西部セント・アイヴスという海辺の町の美術館で
周りの音を入れながらギターの音が時折流れるというもの。
今日の音楽も車や江ノ電の音、
そして、聞いている人のお子さんの声などが
一緒に音楽とまじりあって、とてもとても素敵でした。
実は一曲目のメロディが始まった瞬間、
何故か涙が出そうになりました。
高揚とも違う、体の感覚がほぐされて緩んだからなのか。
人間が作り出した音楽が体や心を震わす面白さ。
いい土曜日の夕方を過ごしました。