はまぐり映画日記14 ドキュメンタリー「ヴァーサス:ケン・ローチの人生と映画」27, May, 2018
またしても書き殴り備忘録ですが、面白いドキュメンタリーだったので
ブログにも残しておきます。
見た目は穏やかな紳士だけれど、作り出す映画は社会の弱き人々を
見つめ、国や政治の在り方を問うような作品ばかり。
81歳のケン・ローチが歩んできた映画人生を振り返る内容です。
これを観た上でケン・ローチ作品を観るか、
何か一つでも作品を観てからこのドキュメンタリーを観るか。
悩むところです。(笑)
労働階級と貴族階級の格差の歴史を歩んできたイギリス社会で
1960年代に初めて労働階級による労働階級の人々を描いた作品を
BBCで撮ったローチ監督は、多くの批判にあい、一時期は全く評価されず、
映画を作れない不遇の時も経験しています。
「人々の暮らしを描くとき、政治は不可欠な要素だ」と言います。
描き方はまちまちだが、どんな場合であれ、その背景に政治は存在する。
イギリスには嫌われ、フランスでは大賞を受けるほど尊敬される監督。
沢山の対照的な印象や意見や評価に包まれたケン・ローチを通して
人間そのものの抱える多様な側面を見るかのようなドキュメンタリーでした。
こういう作品や人に興味がない人は、
びっくりするほど全く関知せず通り過ぎます。
危険分子として疎ましがられても
映画を通して社会の在り方を問いつづけるこの監督の
一本筋の通った生き方には、ちょっとぐっと来るものがありました。
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