絵を描くことと、モノに絵をのせること。展示に寄せて。
毎年この時期になると、なにかクリスマスのモチーフで絵を描いて、
グリーティングカードもしくはアドベント・カレンダーを
作ったりしてみたいなと思います。
思うには思うのですが、ここ二年ばかりは翌年の個展のことでぐるぐる
考えていたり、他のことに気を取られてなかなか実現できませんでした。
今回は、というか、今年は鎌倉佐助のカフェ・ココカラさんが
とても好意的に展示をサポートしてくださり、
ぎりぎりですけどクリスマス展示できますか?と聞いたら、
どうぞどうぞ!と言ってくださいました。
それからです。モーレツに描いたのは。
〆切がないと、エンジンフルスロットルにならないんですねぇ。
目標設定はやっぱり励みになりますからね。
ぼんやりイメージがあったものの、調べる時間から具体化に移るのが
なかなかエネルギーがいりました。
(産みの苦しみまでいかない、便秘的な感じ。失礼!)
2日間ほど唸って、21枚をかき上げ、それに15枚の家のイラストを
散りばめて展示しました。
計40枚、今回は簡易額装プリント版でお手軽に販売もしています。
自分の絵の価値を決めるのって難しいんですよね。
一枚一枚原画が欲しい!という方もいれば、
プリントでいいから手元に置きたいと言う方もいます。
だからよく、イラストを描くと、「○○のポストカードがほしい」と
リクエストも頂きます。
有難いことなんですが、イラストを21種類も描いてそれを全て
ポストカード印刷化して販売するには資金もそれなりに
必要となります。
そうやってグッズを増やすのも一つの手ではありますが、
在庫を沢山抱えると雑貨屋なんだか、絵描きなんだか
自分のやりたいことが分からなくなってくることがあります。
何かの展示に合わせていくつかをグッズにするのは面白いですし
別の可能性の発見にもなりますが、やっぱりそれは私の
本来の仕事ではない気がする、というのが今の感覚です。
だからといって原画を売るとなると、こちらも時間と人生を
かけて描いているものだからそうそう安くは売れません。
でも高いと、手元に置きたいけどそんな価格は出したくないという
方には届きません。この狭間で揺れまくるはまぐり。(笑)
というわけで、今回の展示では、量産はせず、でも
より手軽な方法を考えました。
プリント版で簡易額装にして、小さなプレゼントになるような価格設定。
額装も本当はこだわりたいけれど、絵を手元に置いて頂けることのほうが
私にとって大きな幸せです。
やっぱり私は絵を描く人でありたいな、と思うのです。