シネスイッチ銀座 映画感想絵日記 vol.42 『シーモアさんと、大人のための人生入門』 Oct. 1, 2016
かなり前から気になっていた映画です。
シーモア・バーンスタイン、86歳(撮影当時)ピアノ教師。
原題は、seymour: an introductionというシンプルなもので、
「シーモアさんのこと」みたいな感じでしょうけど、
日本語タイトルには、大人のための人生入門と付いています。
そういうだけあって、人生に関するシーモアさんの珠玉の言葉が詰まっています。
芸術に対する姿勢、演奏家として舞台に立つ恐怖との向き合い方、
音楽を通して得た人生の学び・・・。
シーモアさんが語る自分の生い立ちや、友人たちとの会話の中に
いかに生きて幸せになるかというヒントが沢山。
私が好きなシーンは、シーモアさんが自分のコンサートのために
もっとも良いピアノを選ぶところ。
New York Steinwayのピアノについては、
ジャズピアニストの野瀬栄進さんから色々お聞きしていたので、
特にそのピアノの理想的な音色に、
喜びをあらわにするシーモアさんの姿が印象に残りました。
ピアノも人間と同じで、製造方法は同じでも
手仕事によって全てのピアノに違った個性が生まれるのです。
美しいピアノの音色と共に、
シーモアさんの落ち着きと優しさに満ちた語りを
かみしめて観ていただきたい映画です。
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